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千歯扱き ―収唐 箕 ―収穫の農具(2)―穫の農具(1)―
唐 箕 ―収穫の農具(2)―

 稲刈りの終わった田んぼにはわらぼっちが立てられていたり、籾(もみ)殻を焼いた跡が残り、冬がやってくることを教えてくれています。
 千歯扱(こ)きや回転脱穀機で脱穀された籾には、わらやゴミが混じったり、籾にも実の詰まったものや、そうでないものが混じっています。
 籾を選別するために使われていたのが、今回紹介する唐箕(とうみ)です。
 唐箕は風の力を利用して穀物を選別する道具で、円筒形の風洞(ふうとう)、穀物を入れる漏斗(ろうと)、穀物の出てくる樋口からできています。
 4枚の羽根を回転して起こした風によって実の詰まった重いものが一番手前の口から落ち、やや軽い実の詰まっていないものや欠けたものは2番目の口から、そしてわらくずのようなゴミは横向きに開いた大きな口から外に吹き飛ばされる仕組みになっています。
 風の強さ弱さで選別の状況が変わることから、下の口の様子を見ながら風力を調整して羽根を回さなければなりませんでした。
 写真の唐箕には「大坂農人橋(のうにんばし)弐丁目京屋七兵衛」という墨書があります。大坂農人橋弐丁目(現在の大阪市中央区同所)の京屋は豊臣秀吉の時代から農具を製造していたと伝わり、大蔵永常の『農具便利論』には大坂農人橋の京屋七兵衛と清兵衛が寛文年間(1661〜1672)に踏車(ふみぐるま)を製作したという記事が出ています。京屋は唐箕をはじめ人力で羽根車を足で踏んで回転させて水を押し上げる踏車、籾すり後の玄米と籾殻を選別する万石通(まんごくとお)しなどの農具を大正年間まで製造販売を続けていました。彼らの作った唐箕は河内地方を中心にいくつか残されています。
 この唐箕は木津川市山城町上狛で使用されていたものです。およそ120年前、明治20年代に大阪に出向いて京屋で購入し、持ち帰ってきたと伝えるものです。
 脱穀した籾の選別は唐箕が出来るまでは籾を箕に入れ、腕だけでなく身体全体を使って上下に揺すって軽いゴミを吹き飛ばしていました。なかなかの重労働でした。大量の籾を少ない労力で選別することを可能にした唐箕。南山城地域から大阪へ買いに出掛けたという話にもうなずけるものがあります。

資料提供:京都府立山城郷土資料館


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