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伝えたい宇治茶

伝えたい宇治茶
(参考文献)
1)村松敬一郎、小國伊太郎、伊勢村護、杉山公男、山本(前田)万里編著;「茶の機能」、学会出版センター(2002)
2)村松敬一郎編;「茶の科学」、朝倉書店 (1991)

 緑茶と健康といえば、多くの人がカテキンという言葉を思い起こすのではないでしょうか。この30年間、緑茶カテキン類のヒトに及ぼす生理作用の研究が数多く報告され、脚光を浴びてきました。カテキン類の主な機能性(生体の防御、疾病の予防・回復、体調リズムの調節などを示す機能のことをいいます)について下表にまとめました1)
 カテキン類は、ワイン等で知られるようになったポリフェノールの仲間で、従来はタンニンと呼ばれてきた緑茶の渋みの主成分です(図1)。もともとタンニンという語は、皮をなめす(tan,tanne)性質を持つ植物成分全般に与えられた名称です。また、カテキンの語源は、インド産のアカシア・カテキュー(マメ科アカシア属の低木)の樹液からとれる“catechu”(カテキュー)から分離した無色の結晶に由来しています。その後、この物質は“catechin”(カテ キン)と命名されました。

 茶タンニン(カテキン)の研究は、1835年、緑茶中に多量に含まれることがオランダの化学者ムルダーによって報告されて以来、その性質や組成について研究が進められました。茶からカテキン類が純粋に分離され、構造の研究が進んだのは、1927年、山本頼三による「緑茶中のCatechin類似物質に就て」がはじまりです。その後、1929年から1935年にかけて辻村みちよら、日本の化学者たちによって、茶に含まれる主要なカテキン類が分離・構造決定されました。緑茶にはカテキン類が10〜18%(乾物あたり)含まれますが、その主要成分はエピカテキン(EC)、エピガロカテキン(EGC)、エピカテキンガレート(ECG)、エピガロカテキンガレート(EGCG)の4種類です。これらのうちの3種類が日本の化学者によって発見されたことになります。その他のカテキン類を含めると、これまでに約70種類が見出されており、茶生葉に含まれるタンニンの80%以上は、フラバン−3−オール(図2)という基本構造を持つカテキン類であることがわかっています2)
 表中に示しましたように、カテキン類が示すさまざまな機能性は、カテキン類に複数個のフェノール性の水酸基(OH基)があり(そのためポリフェノールといわれます)、タンパク質、アルカロイドや金属イオンとも結合しやすく、自らは酸化されやすい抗酸化性物質であることに由来すると考えられます。




■バックナンバー■
  【伝えたい宇治茶】    
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  F緑茶の機能性(テアニン)   D宇治茶の新たな躍進
      C宇治茶を支えた品種
      B茶園景観のかたち
      A全国茶品評会の開催
      @90年前の宇治茶スイーツ
       
  【やましろ昔話】    
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  Fころ柿   @踊るきつね
       
  【なつかしの道具とその周辺】    
  K田植えの農具   E千歯扱き ―収穫の農具(1)―
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  H唐臼、石臼   B水田除草用具の移り変わり(1)
  G唐 箕 ―収穫の農具(3)―   A祝園の居籠祭に用いられる犂
  F収唐 箕 ―収穫の農具(2)―   @祈りの農具
       
  【やましろ昔話】    
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  【山城地域の絶滅危惧植物を追う】    
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  【再光の大地】    
  K炎の稲屋妻   E忍び
  J終焉   D三番星 苦悩と楽土に直面す
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  H三六星 宇治平等院にて集う   B二番星、椿井新城より去る
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  F酒星   @県祭りと山城国一揆
       
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  I文人憧れの地 月ヶ瀬梅渓   C五里五里の里 城陽
  H青谷梅林の歴史と詩歌   B古典文学の宝庫井手(2)
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  F現代の桃源郷 南山城村   @木津川と泉橋
       
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