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▲昔日の面影を残す城陽のまち
城陽は古来人々の往還(おうかん)した地、城陽市ゆかりの文学を読み解くキーワードは、古典文学に於いては、「旅心」ではないでしょうか。
久世の鷺坂(さぎさか)
城陽の地は古くから文学作品に登場しますが、まずはよく知られた『万葉集』の歌、
@白鳥の 鷺坂山の 松陰に
宿りて行かな
夜も更けゆくを
A山背(やましろ)の 久世の鷺坂
神代より 春は萌(は)りつつ
秋は散りけり
鷺坂・鷺坂山は、古代大和から近江へ通ずる古北陸道の途上、現在の城陽市久世神社付近と比定するのが通説のようです。
@は古北陸道をゆく旅人が、夜も更けたので鷺坂山の松陰に一夜の仮寝をしようというもの。古代の旅は文字通り「草枕」の旅で野宿を重ねるものでしたが、苦しい旅の道中、「鷺坂」という美しい地名に惹(ひ)かれて、僅(わず)かな安らぎを覚える作者の気持ちが伺(うかが)えるようです。「白鳥の」という枕詞も効果的につかわれています。
Aの歌は、鷺坂を何回も行き来した人の作でしょう。鷺坂の景色の、季節に従って規則的に変化することへの感動を詠んだとの解をとりたいと思います。(新潮日本古典集成『万葉集』)
鷺坂は、平安時代以降歌枕として定着し、白鳥・白つつじ・卯の花など、「白」のイメージを伴って詠まれるようになります。
B白鳥の 鷺坂山の
白つつじ 言はねど春の
色は見えけり(後鳥羽院集)
Cいづかたを
わきておらまし
つつじ咲く 鷺坂山の
谷の細道 (重家集)
Bは、万葉の歌と並んで鷺坂を詠んだ代表的な作品。Cは鷺坂の辺り一面につつじが咲いているというのですが、おそらく空想の世界でしょう。
現在城陽市は、梅・花菖蒲・桃などの花で知られますが、古典の世界では、躑躅(つつじ)の名所でもあったと言えそうです。
丈六堂
中世、城陽には奈島の宿が形成され、江戸時代には長池の宿が栄えました。奈島の宿は『太平記』などの文学作品に登場しますが、しかしそれ以前に、奈島十六の地に「丈六堂」という宿泊所のあったことが、記録に見えます。丈六堂は「穢気(えき)を嫌はず、上下を撰(えら)ばず」(『吉記』)誰にでも泊まることを許した、いわば無銭宿泊所のような建物であったようです。鎌倉時代の説話集『宇治拾遺物語』に載る「永超僧都魚を食う事」の話は、丈六堂が舞台となっています。
D大和なる 三輪の山ぞと
思ひしに いづこも杉ぞ
しるしなりける
平安末期、藤原頼輔の歌。木津川を舟で大和へと向かう途中、大きな杉の木を目印に、船頭が丈六堂だと教えてくれた、という詞書(ことばが)きがあります。現在の「十六」の地名は、「丈六」の転訛(てんか)したものだと考えられています。
▲久世神社そばの万葉歌碑
太宰治と城陽
現代文学では、太宰治について紹介しましょう。太宰治は生涯に一度も関西を訪れたことのない作家ですが、城陽と関わりがあります。太宰の戦後第1作、『パンドラの匣(はこ)』が、青谷村の文学青年、木村庄助氏の日記をもとに書かれています。太宰に私淑(ししゅく)していた木村青年は、太宰に度々手紙を送りました。『太宰治全集』には、太宰からの木村青年への返信が数通収められています。木村青年は、結核で夭逝(ようせい)、その療養所での日記が、遺言によって太宰に送られ、それをもとに書かれたのが、『パンドラの匣』なのです。
木村庄助氏の弟・重夫氏の第一歌集『茶の四季』(角川書店)に、
E兄の書きし 日記を元に
書かれたり 太宰治の
『パンドラの匣』
太宰治は、特に青年に熱心な読者を持つ作家ですが、地元南山城の青年の魂を作品化した小説のあることを思うとき、よりいっそう親しみが湧いてきます。
■著者プロフィール■
小西 亘(こにし わたる)
1958年、南山城村に生まれる。82年より京都府立高校に勤務。現在府立南陽高校国語科教諭。『注釈青谷絶賞』『「月瀬記勝」梅蹊遊記訳注』執筆。
■バックナンバー■
【伝えたい宇治茶】
G茶の機能性(カテキン類)について
E碾茶(抹茶原葉)の合組
F緑茶の機能性(テアニン)
D宇治茶の新たな躍進
C宇治茶を支えた品種
B茶園景観のかたち
A全国茶品評会の開催
@90年前の宇治茶スイーツ
【やましろ昔話】
K炭山の田植地蔵さん
E北稲八間の年越し
Jお産ぎつね
D送り狼
Iだんごやすみ
C天狗の手
H寒がり天狗
B嫁盗り地蔵
G田辺の送り竹
A紙鯉
Fころ柿
@踊るきつね
【なつかしの道具とその周辺】
K田植えの農具
E千歯扱き ―収穫の農具(1)―
J麦の収穫
Dサツマイモの収農具
Iみずぐるま
C水田除草用具の移り変わり(2)
H唐臼、石臼
B水田除草用具の移り変わり(1)
G唐 箕 ―収穫の農具(3)―
A祝園の居籠祭に用いられる犂
F収唐 箕 ―収穫の農具(2)―
@祈りの農具
【やましろ昔話】
K風に舞った花嫁衣裳
E夢絃峡
J夜桜ぎつね
D狛犬の結び糸
Iお亀さん
C寺田いも
Hきつねのお礼
Bお姫ヶ池
Gいたずら天狗
A蛍合戦
Fお正月飾りと福の神
@雨乞い
【山城地域の絶滅危惧植物を追う】
K石持草(イシモチソウ)
E撫子(ナデシコ)
J猫目草(ネコノメソウ)
D桔梗(キキョウ)
I猫目草(ネコノメソウ)
C連理草(レンリソウ)
H寒枯藺(カンガレイ)
B狸藻(タヌキモ)
G藤袴(フジバカマ)
A未草(ヒツジグサ)
F女郎花(オミナエシ)
@翁草(オキナグサ)
【再光の大地】
K炎の稲屋妻
E忍び
J終焉
D三番星 苦悩と楽土に直面す
I鎮圧軍総司令官「伊勢貞宗」
C教育は天王畑の神主から
H三六星 宇治平等院にて集う
B二番星、椿井新城より去る
G新風が運ぶ自断権
A三十六星
F酒星
@県祭りと山城国一揆
【南山城文学散歩】
K木津川のうた
E旧都と歌枕の地 瓶原
J上田三四二と青谷
D笠置山と文学
I文人憧れの地 月ヶ瀬梅渓
C五里五里の里 城陽
H青谷梅林の歴史と詩歌
B古典文学の宝庫井手(2)
G古歌の名所 狛と祝園
A古典文学の宝庫井手(1)
F現代の桃源郷 南山城村
@木津川と泉橋
【風土記】
I母なる川 木津川
D小野小町伝説と井手
H二宮忠八と飛行神社
C富本銭と和同開珎
Gほとけになった悪次郎
B恋志谷神社と恋路橋
F安積親王墓と大伴家持
A明暗を分けた家康と梅雪
Eかぐや姫と宇治
@市坂の念仏石
【南山城 歴史のなかのひとびと】
K和束で出会った『生活のうた』
E水度神社のおかげ踊図絵馬
J南山城村に伝わる折りの行事
D高神社と多賀郷の人びと
I絵馬に描かれた近世の木津浜
C正覚寺洪水供養石仏
H平等院と山城国一揆
B狛と平尾の精霊踊
G農作を折る居籠(いごもり)祭り
A泉橋寺の地蔵石仏
F相楽郡立濃学校の創立
@平野の勧心猿楽
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