久御山町東一口(ひがしいもあらい)地区で12月、京のブランド産品「聖護院だいこん」の出荷が行われ、中旬に最盛期を迎えました。
地区の共同洗い場には、井戸水で洗われた真っ白の大根が壁のように積み上げられています。
同地区での聖護院だいこんの栽培は、昭和28年の大水害の後、台風が来る前に収穫できる早生米の後作として始まりました。
粘土質の土壌で栽培される大根は『甘くて苦味が少なく、柔らかく煮くずれしにくい』と評判になり「淀大根」の呼び名でも知られる特産品です。
東一口淀大根出荷組合の組合員は現在17軒。1個1.5〜3kgの大根の収穫は重労働ですが、生産者らは早朝から300〜400個の大根を収穫し、丁寧に洗い、葉と根を落とし出荷箱に詰めています。京都や大阪を始め、東京など全国に出荷されます。
猛暑と初秋の少雨の影響で、例年より少し小ぶりなものが多く出荷も2週間遅れとなりましたが、一口地区特有の水分を蓄える力が大きい土壌が少雨の影響を抑えたこともあり、品質は例年通り上々となっています。
同組合副組合長の二木重雄さんは、「今季は10年に一度あるかないかの作りにくい年だが、皆、立派な大根を収穫している。さすがはみんなプロ」と話し、「高齢化の問題などもあるが、伝統野菜を長い間作り、守って行きたい」と意気込んでいます。
収穫は3月まで続きます。
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